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統計データは、本当はどういう意味を持つのか?
「フェイクニュース」はどうやってウソをデータで塗り固めるのか?
「データに騙されない方法」を人気コラムニストが教えます。
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「コウノトリが少ない国では、出生数が落ちる。これは統計学的に有意に立証されている」
冗談だと思うかもしれない。でも、本当だ。
もちろんコウノトリが赤ちゃんを運んでいるからではない。コウノトリの多い国(ドイツ、トルコ、ポーランド)は出生数も多い。コウノトリの少ない国(デンマーク、アルバニア)は出生数が少ない。こうしてコウノトリと赤ん坊に因果関係がないにも関わらず、統計学的には有意なウソが創作できる。
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だが正確に統計を利用すれば、漠然としたトレンドが見えてくる。現代世界は非常に大きく、非常に複雑だ。地球上には80億人近くが住み、数兆ドルもが経済を流れ、ネット上には20億ものサイトがある。統計がなければ暗中模索になるだろう。X線がなければ骨を調べられず、顕微鏡がなければ細菌を調べられず、望遠鏡がなければ天体を調べられないのと同じだ。
本書を通じて、統計という望遠鏡を手に取り、実際に世界を調べられるようになってみよう。そしてウソ情報を生み出すいいかげんな理屈を見破り、バイアスの罠を回避できるようになってほしい。
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FTの人気コラムニストが統計で騙されない10の方法をお教えする。