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教皇vs.皇帝―― 雪中3日間の贖罪行為、その歴史的意義とは?
世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第3弾! 1077年1月、ドイツ王にして、のちの神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世がローマ教皇グレゴリウス7世に対して、裸足のまま雪の中で3日間赦しを請うたという「カノッサの屈辱」。なぜ皇帝が教皇に屈服したのか? なぜ教皇のほうが偉いとされたのか? ローマ・カトリック教会の成立から、十字軍遠征、教会分裂、新教勃興までを通観し、単に叙任権闘争の一事件とされがちな「屈辱」の歴史的意義を考える。
第1章 なぜハインリヒ四世は教皇グレゴリウス七世に屈したのか
第2章 「ローマ」と「教皇」はいかにしてむすびついたのか
第3章 普遍的教皇権が成立させた「十字軍」発起
第4章 中世キリスト教はなぜ宗教改革に向かったのか