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中学英語で日常会話はすべて表現できる!
なぜ「学びなおし」には中学英語が大切なの?
学校でひととおり英語を勉強したけれど、いざ話すとなると英語が出てこないという話をよく聞きます。中学と高校で習う英語を比べてみると、実は中学で大半の文構造と文法事項を学んでいます。けれども中学の教科書では、会話の内容は身近な学校生活が中心です。登場人物も中学生でしたね。高校の教科書では社会的内容が増えて「大人の」話題を扱いますが、ほとんどが読むための説明文です。中高を通して、大人の日常生活に必要な口語表現に触れることはあまりなかったのではないでしょうか。「知っているのに使えない」もどかしさの原因は、こんなところにもあるかもしれません。そこで、中学英語を「わかる」から「話せる」に変えるために必要なことを3つ、お伝えします。
(1)「ことばの仕組み」を「ことばの働き」と関連付けて学ぶ
コミュニケーションの目的や場面、状況に応じて話すには、「ことばの仕組み」(文法)を「ことばの働き」(発話の目的や意図)と関連付けて学ぶことが必要です。
(2)目的別のファイルで 「わかる」から「話せる」へ
おそらく多くの方は、「ことばの仕組み」を中心に勉強し、「ことばの働き」にはあまり注意を向けてこなかったのではないでしょうか。大人の学びなおしでは、「ことばの仕組み」と「ことばの働き」の2つを車の両輪として学んでいきます。その際、目的別のファイルを頭の中に作るようなイメージで考えてみましょう。「人について話す」というファイルには、そのために必要な形容詞や3人称単数現在といった道具を入れておきます。「日課について話す」というファイルには現在形や接続詞などを入れておく、というイメージです。このように整理しておくと、コミュニケーションの目的に応じて、必要な知識をすぐに取り出すことができます。
(3)「学びなおし」を続けるコツ
「学びなおし」を続けるための仕掛けとして、本テキストは楽しいストーリーをお届けします。執筆するのは、長年NHKラジオ「基礎英語」のストーリーを手がけてきたカレン・ヘドリックさんです。カレンさんの描く生き生きした登場人物、思わず自分を重ね合わせてしまう身近な場面、連続ドラマを見るような展開を、声優のルミコ・バーンズさん、ドミニク・アレンさんの名演技と共にお楽しみください。ストーリーに自分と似た人や「推し」の人物を見つけて、なりきり演技をしてみると楽しさが倍増します。コミュニケーションの目的や場面を意識して音読すると、「ことばの働き」の理解も深まります。
(「はじめに」より抜粋)
〈音声のダウンロードについて〉
本書を購入された方は、本書の音声をNHK出版サイトからダウンロードできます。詳しくは書籍内の説明ページをご参照ください。