内容情報
■いま大人の学びなおし専用教材が必要とされている■
NHKテキスト基礎英語は本来中学生向けにつくられた教材ですが、実際には驚くほど幅広い年代の方たちが利用しています。そしてそのうちの多くは実は「大人の学びなおし」として利用している世代の方たちです。
「基礎英語」はストーリーが中学生向けなのはもちろんですが、文科省の指導要領に沿って作られたプログラムなので、文法の解説なども含めて、当然のことながら中学生向け(つまり、ほぼ初めて英語を本格的に学ぶ人向け)の教材になっています。
本企画は、ならば、そんな大人の学習者の方たちへ向けて「より使いやすく、より効率的に学習しやすい教材を提供できないだろうか」という目標を掲げてスタートしました。
そこで「NHK基礎英語」講師を4年間も務め上げ、人気・実力ともに定評をもつ高田智子教授を著者として迎え、基礎英語のノウハウを生かしつつも「大人向けに生まれ変わらせること」をコンセプトに、ついに実現へと至りました。
英文ストーリーの内容は、中学レベルの英語(ことばの仕組み)で表現されていますが、単語のレベルを少しだけ広げることで「日常会話からシンプルなビジネス英語まで」、あらゆるシーンに対応した実践的なものとしています。
■学びなおしポイント■ ことばの「仕組み」と「働き」を結びつけ、生きた知識に変える
「大人の学びなおし」の世界へようこそ。本書では皆さんがこれまで行ってきたものとは「違う方法」で英語学習を進めていきます。
初めて英語を習うとき、ふつう「ことばの仕組み」を中心に進めます。まず動詞の現在形を習い、現在進行形、過去形、未来表現…というように積み重ねていきます。「大人の学びなおし」では、この順番にこだわりません。だから夏号から始めても大丈夫です。
また、日本人学習者にとって比較的定着度の高い文法項目は、ターゲット文として取り上げることもしません。「大人の学びなおし」の目的は、単に中学校で扱う内容を網羅することではなく、「使いこなせていない知識を活性化し、コミュニケーションにつなげること」だからです。
そこで、本書では「ことばの仕組み」ではなく、あえて「ことばの働き」を中心に学習計画を立てました。「ことばの働き」とは、たとえば「提案する」「お礼を言う」「注意喚起する」など、コミュニケーションの目的のことです。「大人の学びなおし」では、「ことばの仕組み」を中心に学んできた英語を、「ことばの働き」という視点からとらえなおし、両者を関連付けていきます。それによって、しまっておいた文法ルールが生きた知識となるのです。
「ことばの働き」を中心に学ぶ英語は、場面と状況を大切にしています。各レッスンのストーリーには、職業、趣味、ライフスタイルがさまざまな大人たち、そして子どもたちも登場します。彼らの日常をドラマの一場面のように楽しみながら、眠っていた知識を呼び起こし、活用していきましょう。