内容情報
アイヌは自然の恵みを神に感謝し、その共存を旨とした人たちでした。アイヌは神をカムイと言い、カムイモシリという神々の世界では人間の姿をしていて、地上にいる時は動物や植物など大自然の姿になると信じています。人間の世界からカムイをカムイモシリに送り返す儀式として有名なイオマンテは、チベット民族の中にも同じような風習が確認できました。アイヌは松前藩成立により、日本人との関係を徐々に深めましたが、蝦夷(えみし)という名で記される民族と日本の歴史は、奈良時代の記録から散見します。坂上田村麻呂に帰降した、蝦夷の族長とされる阿弖利為(あてりい)は降伏のさい、古代中国の礼法である面縛待命だった可能性を説く学者もいます。アイヌ以前の蝦夷にも、海を渡って土着した民族の形跡があるようです。聖地カムイコタンをはじめ、多くの史跡を紹介しながらアイヌの文化や歴史を元に、蝦夷の謎に中國紀行CKRM的視点でせまります。