内容情報
我々は、あの〈暗黒の木曜日〉に何を学ぶか。
1929年10月24日、ニューヨーク株式市場は突如、大暴落をはじめた。「暗黒の木曜日」世界大恐慌の勃発である。
株価は7分の1に下落、銀行倒産は6000件、失業者1000万人……世界経済が直面した未曾有の危機はいかにして発生したか。
当時の新聞記事やなまなましい労働者の証言などから、庶民の目に映った経済破綻と、打ち出された数々の経済政策を丹念に描き、混沌の坩堝にあった大恐慌期の米国を再現。
さらに大恐慌が日本に波及した「昭和恐慌」の実態と、井上準之助・高橋是清の経済政策についても検証を行う。
長年にわたり大恐慌期の米国経済史を研究してきた経済学者が、難解な専門用語や数式を用いずに明快に解説。
史実から何を学ぶべきかを読者に問い続ける1冊です。
*本書の原本は、1999年に講談社選書メチエより刊行されました。
●主な内容
プロローグ 大恐慌はくりかえされるか
第一章 暗黒の木曜日
第二章 市民たちの大恐慌
第三章 市場崩壊のメカニズム
第四章 ニューディールの景気刺激策
第五章 ケインズ理論への道
エピローグ 1929年のアメリカと平成不況下の日本