内容情報
《講談社 地図帳シリーズ》
【外界の不思議をとらえる精緻で不思議なしくみを解き明かす】
なぜ見えるのか
なぜ聞こえるのか
なぜ感じることができるのか
ヒトは生きていくために必要不可欠な情報を、
眼・耳・鼻・口・皮膚などの感覚器をフル活動させてとらえている。
その精緻で驚くべきしくみを詳細かつ平昜に解説する。
《本書のおもな内容》
【総論】
刺激とそれをとらえる生きものたち
刺激はどのようにしてとらえられ、伝えられるのか
刺激の到達するところ
感覚器はどのようにしてできてくるのか
【特殊感覚】
視覚
聴覚
平衡感覚
味覚
嗅覚
【一般感覚】
痛覚
触覚・圧覚
固有感覚
冷温覚
血液成分感覚
《感覚器の機能と構造を理解する鍵》
感覚器として眼・内耳・鼻・舌・皮膚・筋紡錘・ゴルジ腱器官・特殊血管壁など、
いろいろなものを本書で紹介しますが、しかしどの場合でも特定刺激を実際に
とらえ信号化するという本質的役割を担うものは、ひとつの感覚器のなかでは
神経細胞か感覚受容細胞かのどちらか一方だけです。
この2種類の細胞は、ともにその祖先を胎生初期にわたしたちのからだの
外表面をおおいつくしていた外胚葉に求めることができるので、外胚葉の一部分が
そののちどのように体内に進入したかを知ることが、感覚器の機能と構造を理解
する鍵になりそうです。もともと体表の外界空間に向きあっていた外胚葉
ですから、それの体内進入後でも小さな外界空間がからだの内部のどこかで、
しかも外胚葉由来細胞に接する位置に閉じこめられたかたちで残っている
という点にも注意してください。
(「総論4 感覚器はどのようにしてできてくるのか」より)