内容情報
がん専門相談員が知っておくべき相談支援に必要な基本的かつ専門的知識のほか,相談支援の基本姿勢・相談対応に必要な知識についてもQ&Aなどを交えながらわかりやすく網羅的に解説している.「がん相談」に関するあらゆる場面で活用できる内容であり,相談員のみならず,がん患者やその家族に対応しているその他の医療従事者も広く活用できる内容となっている.
第 I 部では,日本のがん対策や医療の現状,がん相談支援センターが設置されるようになった背景,がん患者やその家族,病院や医療者,一般市民ががん相談支援センターに求めることなどを紹介し,がん相談支援センターの在り方や役割・業務を確認できる.
第II部では,がん相談支援センターの相談員に求められる姿勢,相談支援のプロセス,他部署・他機関と連携する上で重要なことを紹介する.
第III部では,第4期計画や整備指針で取り上げられた[アピアランスケア],[コミュニケーションに配慮が必要な相談者への対応]などのテーマによくある相談に対して,その対応例や相談員が知っておくべき知識,相談支援のポイントをQ&A形式で紹介.対応に困ったときに,すぐに確認ができる.
第IV部では,相談員の退職や異動があっても,がん相談支援センターの体制を継続できるよう,がん相談支援センターで取り組むべき質の管理や広報,患者支援団体やピアサポーターとの連携・協働などについて解説し,実際にがん相談支援センターや施設に行ったヒアリング内容など,各病院や各都道府県で情報提供・相談支援体制を整備するためのヒントを紹介する.
目次
第I部 我が国のがん医療とがん対策
第1章 患者・家族を取り巻くがん医療の現状
第2章 日本のがん対策
第3章 がんの情報提供体制
第II部 がん相談支援センターでのがん相談
第1章 がん相談支援センターでの相談とは
第2章 がん専門相談員に求められる姿勢
第3章 相談支援のプロセス
第4章 相談支援場面でのコミュニケーション
第5章 対象者理解,アセスメント,支援
第6章 ヘルスリテラシーと情報支援
第7章 他部署・他機関との連携・協働
第III部 さまざまな状況における相談支援
第1章 治療病院・療養場所の選択
第2章 治療選択
第3章 社会資源
第4章 就労支援
第5章 ライフステージ別で生じやすい相談
第6章 がん予防・検診
第7章 がんゲノム医療
第8章 遺伝性腫瘍
第9章 性生活や妊孕性への影響
第10章 アピアランスケア
第11章 希少がん
第12章 コミュニケーションに配慮が必要な相談者への対応
第IV部 がん相談支援センターの整備
第1章 がん相談支援センターの体制づくり
第2章 がん相談の質の管理
第3章 病院および地域でがん患者・家族を支える体制づくり