■Story
ココ文化華やかなりし18世紀。ヨーロッパ諸国を跳梁し、世界中の女性たちを虜にしてきた稀代のプレイボーイ、ジャコモ・カサノヴァ――アドリア海に面した水上の都ヴェネツィアを舞台に、自由を渇望し、理想の愛を求め続けた男、カサノヴァの新たなる冒険譚が幕を開ける。
女性の愛を欲しいままにし、星の数ほどの浮名を流してきたカサノヴァは、魔術で人を欺き、女性を誑かしたとしてヴェネツィア共和国国事犯審問所に捕らえられてしまう。しかし、恋と冒険を常に追い求めるカサノヴァは、周到な計画を立て、ある夜ついに脱獄を果たす。折しも、ヴェネツィアはカーニヴァルのシーズン。カサノヴァは祭りの騒ぎに乗じてヴェネツィアから逃亡しようとするが、そんな彼にミラノへと続く道で人生を変えるほどの恋と出会うとの神のお告げが下る・・・・・・。その恋のお相手、運命の女性とは、ヴェネツィア総督の姪ベアトリーチェ。修道院で学び、本をこよなく愛する彼女は、貴族の娘として定められた人生を歩むことに戸惑いを覚えるような進歩的な女性であった。正義感が強く、女性たちを惑わすカサノヴァに敵対心を抱いていたが、カサノヴァと知らずにカサノヴァと出会い、自由に生きる彼にいつしか心惹かれていく・・・・・・。一方、脱獄したカサノヴァを追い続けているのは、国事犯審問所の審問官コンデュルメル。カサノヴァに愛する人を奪われた男の一人でもある彼には、どうしてもカサノヴァを捕らえなければならない、とある事情があった・・・・・・。
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