セーブル 希少 白磁(PT)人形 飾り物 水の精ニンフ 1999年復刻 フランス製 Sevres

フランスが誇るセーブル窯はポンパドール婦人の助力もあって、王立窯として発展を遂げました。1759年、王立セーブル製陶所となり、今もフランスの文化と美を伝える優れた陶磁器を生み出し続ける国立セーブル製陶所の歴史はここに始まります。セーブルの功績は、国家的使命ともいえるフランス独自の意匠を確立し、完成度の高い芸術作品を作り続けてきたことにあります。18世紀、セーブルは東洋芸術の様式をうけつぎながらも、当代一流の化学者、画家、彫刻家、金工家の参加によって独自の世界を創造しました。「王者の青」「ローズ・ポンパドール」と呼ばれるセーブルの色、華美で鮮麗な装飾、独特の風合を持つソフトペーストなど、他の追随を許さないセーブル芸術が、宮廷文化の中に華開いたのです。盛名を馳せたセーブルも、国窯という背景から生産は非常に限定され、世の人々の目に触れることはなく、「希少な陶磁器」と呼ばれました。今日に至っても、生産量は年間約6000ピースと限定され、そのほとんどがフランス国家のために作られます。この少量生産は、「最高の作品を作り出す」ための必然であり、その稀少性ゆえに、誇り高きセーブルの名声は一段と高まっています。
この作品はプシュケ(愛の神、エロスより愛された美少女)又、愛の弓に隠れる少女ともよばれている。 1761年のサロンでの案内状に掲載されたにもかかわらず、この小像の原型をFALCONETは大理石で作らなかった。このサロンの関係者であったGABRIEL DE SAINT AUBINによって制作されたスケッチ画の中にも描かれなかった。 いたずらっ子で冗談好きな18世紀の子供達の好みであった愛の強要、各人の感性の独立性や憐憫の情などの子供の感受性をテーマにすることをセーブル工房は制作に受け入れた。同様に、素焼磁器部門は「PAS DE QUARTIER」と言う作品を創った。 子供、又は「水の精少女」と「愛の強要」の対はFALCONETの大理石素材の代表作品であり彼の名声を高めた。他の彫刻家達はこのような其の当時の好みを受け入れようとはしなかった。 EMILE BOURGEOISは、以下のように講評している。 「髪を後ろで束ね、挑戦的に微笑んでいる少女で表現された女性と子供の間の不確実性はもっとも優美なイメージの一つである。この作品の素晴らしさは 更に、思春期と女性になる期待感の間にある淡い不安も深部まで感じられる」 以上の説明文は、1757-1766年に出版された「IN FALCONET A SERVRES OU L’ART DE PLAIRE」の文章より引用。(2001年にRMN社より165ページで再版)2001年11月6日より2002年2月4日までセーブル国立陶磁器博物館にて展覧会を開催。
*この作品のオリジナル(台座なし)の内の一体が帝政ロシアの最盛期に君臨した女帝エカテリーナII世のコレクションとしてサンクトペテルブルクの国立エルミタージュ美術館に収蔵されています。
*台座の装飾は国立セーブル工房がモナコ公国王の為に納めたテーブルサービスと同じ装飾です。