≪時を超えて受け継がれてゆくもの 〜昭和のお針箱〜≫
昔むかし、日本中どこの家庭にもあったバスケットのお針箱。
スウェーデンに源を発するヨーロピアンアンティークなデザインを持つそれは、日本の鞄製造を地場産業とするこの豊岡で地場の杞柳(きりゅう)製品の技術と結びつき、やがては世界に輸出するほどのメインの商材へと育っていきました。
地場の編み元の一人の佐藤昭治さんが作ったこのバスケットも、昭和40年代のピーク当時には月産2,000個〜3,000個の膨大な製品をこの田舎町から全国・世界に発信していました。平成になる頃には、全国にも多数あったソーイングバスケットの編み元も減り続け、気づけば、ソーイングバスケットを作れる職人は、全国で佐藤さん一人となっていました。それは、良心的なやり方で限定数のみを細々と生産し続けてきた結果でした。
日本唯一の手編み職人という自負ではなく、一職人としてもの造りに向き合われ、また生活の一部として日々作業を続けられていました。そのおかげで今もあるのが昭和のソーイングバスケットです。
平成20年頃より、選ばれた弊店スタッフ数名が佐藤さんの工房に通い始め、ソーイングバスケットづくりのいろはから教わることになりました。一通りの技術を覚えた数年後より佐藤さんとともに生産に携わることができ、わずかながらも量産が可能となったことで、令和22年からのネットショップをスタートすることもできました。
佐藤さんは令和5年に亡くなられる最後の最後まで工房に立ちソーイングバスケットを作り続けられました。また私共スタッフへもおしむことのない愛情でその技を教え伝えていただきました。
私どもが日本製ソーイングバスケット作りの伝統を受け継ぎ、次の世代へも技術を残し、そしてこれからも弛むことなく豊岡の地から、『昭和のお針箱』を発信し続けてまいります。
針箱屋(中川満株式会社)
●本体は、木枠芯の頑強な造り。
●胴の編み材料には、昔のままの「セロなわ」を使用。
・セロなわ とは、撚(よ)った紙芯にセロファンを巻き、なわ状に編んだひものこと。
・ケミカルとナチュラルの合わさった、昭和レトロにふさわしい材料です。
●本体内側は幅28×19×深さ15センチの大容量で、ハギレなどのかさばる材料もしっかり収納できます。
●仕切り付き透明トレイは、幅約27センチで、裁ちバサミがすっぽり納まるサイズ。
●フタ生地は、落ち着いた高級感のある国産ゴブラン織り仕様。
●フタ裏には、上品な赤色生地をパールビーズで留めた、美しいフォルムのピン・クッション付きです。
●各部品のそれぞれが、手作りにより丁寧に組み立てられています。
※モニターの発色具合によって、実際のものと色が異なる場合がございます。