カボチャの原産地は乾燥した砂漠のような荒地なので、日当たりと水はけの良い土壌を好みます。育つとツルがどんどん伸びて広がるので、地這い栽培の場合は広い面積が必要になります。株間90cm以上は確保しておきましょう。カボチャの苗は霜に当たると枯れてしまうので注意が必要しましょう。
葉が茂ってきたら、株元からツルが伸びる方向に敷ワラをします。実がなってから熟すまで、実の下にワラや刈草などを敷いておくことで、ダンゴ虫が皮を食害し、そこからカビが侵入するのを防ぐ効果もあります。また、土の乾燥や降雨時の泥跳ねを防ぎ、病気予防にもなります。
つるの長さが50cm〜60cmになったら、畝の両肩に追肥を施します。その後は、果実が子供の握りこぶし大程度の大きさになった時、さらに2〜3番果の着果後に与えます。追肥は株元から離れた位置に施します。つるボケしないように元肥の化成肥料は窒素が少ないものを使用し、実付きが悪い時はカリ肥料を追肥します。
西洋カボチャは親弦に実がよくなるのでそのまま伸ばし、子弦は1〜2本勢いのある弦を残して後はすべて摘み取ってください。日本種、ペポ種は本葉5枚になった時に親弦の先端を摘み取り、子弦のみを2〜3本伸ばして子弦に実を付けさせましょう。ミニ種の場合は弦が伸びてきたら、支柱を立てて弦を誘引してやりましょう。伸ばす弦は親弦のみで途中で出来る子弦は全て切り取ります。
光合成をしっかり行わせるために、葉と葉が重ならないようにすることが大切です。葉が混みすぎている時は、実が付いていない枝を切って風通しを良くします。
梅雨の頃から花がつきはじめます。花弁の下部に膨らみがあるのが雌花、ないのが雄花です。ハチやアブなどの昆虫によって放っておいても自然に受粉しますが、確実に着果させるために人工授粉しておきます。雄花をとり、花びらをちぎって雄しべをむき出しにし、雄しべの先端を雌花の雌しべの柱頭にこすりつけて受粉させます。同じ株同士ではなく別の株の雄花と雌花で受粉しましょう。日が高くなると花がしぼむため、人工授粉は晴天の早朝に行うのがポイントです。
玉直しと言うのは果実が大きくなる途中で、カボチャの形を整える為に向きを変える作業のことです。地面に這って成長するため、実が地面に接している部分には日が当たらず、緑色に色付かないことがあります。見た目だけで食味に変わりはありませんが、色・形を整えるため、果皮の色がある程度濃くなってきたら、実の位置を変える「玉直し」で裏面にも日を当て、色をしっかりのせるようにします。果実が握りこぶしほどの大きくなった時に花弁が付いていた方を下に向け果実の下側にプラスチックトレーなどを敷きます。収穫の1週間〜10日前に果実の向きを反対にして果実全体に日光が当たるようにしす。ただし動かすのは90度まで。勢いよく動かすとヘタが取れてしまうので慎重に行います。
うどんこ病と疫病に注意が必要で雨による泥のはね上がりを防ぐために、株元にポリマルチをしたり、つるの下にワラを敷いて予防します。