『弔い月の下にて』倉野憲比古著/B6判(ソフトカバー)

倉野憲比古(著)
ISBN: 978-4-909735-08-9  B6判(ソフトカバー)・並製 378頁
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目羅博士でも真相は見抜けまい。
大乱歩が読んだら、どれだけ喜んだことだろう。
心理学の専門家でもある著者は、『占星術殺人事件』のトリックを言い当てた人でもある。確信犯的アナクロニズムと本格推理への情熱によって生み出された小宇宙では、異常心理に導かれた登場人物たちによって前代未聞の惨劇が繰り広げられる。
これこそ待望の物語ではないか。
――春日武彦(精神科医)推薦!

呪われた島に、隠れ切支丹の末裔の富豪が築いた「淆亂館」。その日館に集まったのは、いずれも館の主である十年前に失踪した俳優と因縁ある面々。そして次々起こる謎めいた殺人。異端信仰と役者の業を描く傑作変格推理。

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目羅博士でも真相は見抜けまい。
大乱歩が読んだら、どれだけ喜んだことだろう。
心理学の専門家でもある著者は、『占星術殺人事件』のトリックを言い当てた人でもある。確信犯的アナクロニズムと本格推理への情熱によって生み出された小宇宙では、異常心理に導かれた登場人物たちによって前代未聞の惨劇が繰り広げられる。
これこそ待望の物語ではないか。
――春日武彦(精神科医)推薦!

心理学を専攻する大学院生の夷戸と彼の先輩の根津、ふたりの行きつけの喫茶店のマスターの美菜は三人で壱岐に旅行にやってきた。
根津の提案でボートを借り、かつて隠れキリシタンの島民が大量死したという曰くある島「弔月島(ちょうげつとう)」の見物に出かける三人。島にはキリシタンの末裔である富豪が築いた奇妙な館・淆亂館(ばべるかん)が残っていた。
上陸した三人は、「館の使用人」を名乗る獰猛な男たちに拉致され、館に軟禁される。そこにいたのは、有名な劇団のメンバーたちとゴシップ記者。淆亂館の主は、彼ら全員と因縁のある、十年前に失踪した「伝説の俳優」なのだと言うが……
謎の黒衣の男が跋扈し、次々と起こる謎めいた殺人。作者渾身のシリーズ第三作は、異常なロジックと奇矯なトリックが炸裂する傑作変格ミステリ!

◎目次
プロロオグ 渚にて
一 暗鬱なる島へ
二 淆亂館の主人
三 消失と出現と
四 因辺留濃への道行
五 宴の精神病理学的考察
六 悪夢と悪魔
七 会議は踊る、されど進まず
八 了解操作が始まる、すべてが終わる
九 宗教的な、余りに宗教的な
エピロオグ 弔い月の下にて

◎<著者のことば>
前作『墓地裏の家』の刊行から十年が経ってしまった。しかし『弔い月の下にて』には、謎の使用人、異常心理学、宗教、怪奇趣味etc.と、私の趣味嗜好のすべてを注力したと言っても過言ではない。本作は変格探偵小説なのか? はたまた異形の本格なのか? 読者諸賢の御判断に委ねたいと思う。

著者:倉野憲比古(くらの・のりひこ)
 一九七四年、福岡県大野城市生まれ。立教大学文学部卒業。公認心理師。二〇〇八年に『スノウブラインド』でデビュー。古典的探偵小説とB級ホラー映画への愛、心理学の知識が横溢する独特の作風で知られる。