うに(銀レベル)1箱
銀レベルのうにとしていますが、味は相当旨いです。老舗の寿司屋で使用されるグレードです。
私は豊洲市場のうにの競りをしていました。特にうには等級によって大きく味に違いがあります。ひどいものは不味くて食べられません。うには産地や時期によって様々なグレードのものがありますが、分かりやすくざっくりと下記のように評価します。
・最高級(金レベル)星のつく寿司屋で使用
・次点(銀レベル)カウンターのある寿司屋の夜で使用
・及第点(銅レベル)カウンターのある寿司屋のランチ用
・落第(扱いません)チリや中国産の冷凍うに。もしくは生で入荷するが、うに一葉がペラッペラで味のないうに。100円回転寿司などで見られる冷凍うには食べるに値しません。元来、うには冷凍してしまうと食感と風味が大きく損なわれます。
また、よくミョウバンがまずさの元凶のように言われますが全く違います。すばらしいうに生産者は、ミョウバンを絶妙な配分で使用し、うにの生臭さやうに自体が溶けてしまうのを防いでいます。
産地は季節により北海道内を移動します。道東(十勝、釧路、厚岸、落石、根室)、北方四島(ロシア)、道南、三陸(岩手、青森)、道北(宗谷、稚内、利尻、礼文)に続きます。出荷時に一番美味しいうにをお届けします。
季節によりエゾバフンウニかキタムラサキウニになります。豊洲市場ではエゾバフンウニを「赤」、キタムラサキウニを「白」と呼びます。
豊洲市場ではこのグレードのうにを「並びのうに」を呼んでいます。写真のとおり整然と箱に並んだうには、見た目だけでなく味も濃厚で甘みがあります。甘みのあとに口の中に濃厚な磯の香りが残ります。安いグレードのうには最初甘みが広がりますが、あとに濃厚な香りが残りません。そこが違いです。
このうにを「銀レベル」としていますが、ほとんどの方が食べたことがないと思います。グルメ系と言われている回転寿司屋では高すぎるため扱っていません。老舗の寿司屋で「お好みでうにを握って」といって出されるようなうにです。ランチ用の握りや海鮮丼としては使用されません。これが本物のうにだと言うに足る品質です。
並びのうにの美しさ
箱の中に整然と並べられたうには美しいです。豊洲(旧 築地)市場では箱の形から「弁当箱」と呼ばれ、その「弁当箱」の中でもうにが並べられているので「並びのうに」と呼ばれています。
※キタムラサキウニ出荷時は並んでいない場合もございます。
豊洲(旧 築地)市場でのうにの競り
一日に多くて8000枚ものうにを手際よく競ります。朝5時からうにの競りは始まります。うにを扱う豊洲(旧 築地)市場の荷受(大卸)は5つあり、2社同時に競り台に登り競りをかけます。競り値をいれるのは買参権を持った仲卸で、当日の状況を見て値段を出します。荷受や他の仲卸との駆け引きの中、狙ったうにを競り落とします。
競りの順番はいいものから始まりますので、金レベルうにの競り番は最初の方です。
うにの保管場
競り場のすぐ横にうにの保管場があります。低温に保たれている部屋にうにが騒然と並びます。競りの前にうにの品質を下付け(チェック)し競りにのぞみます。