ノーベル文学賞受賞者であり、20世紀を代表する偉大な作家ヘルマン・ヘッセ。ヘッセ文学は終始ひとの心の内面に向かう探求であり、その統一的帰結が終生のテーマであった。しかしヘッセを取り巻く世界情勢は、彼の願望をそのまま許そうとはしなかった。家庭の周辺においても温床は存在しなかった。その戦いは、ヘッセの心性に強い影響をもたらし、極度の精神不安を抱くようになる。本書では、ヘルマン・ヘッセの自己治癒への道程をまとめながら、創造と精神分析、さらに筆者が追究する癒しという視点で作品分析を試みている。
序章|第1章 自我同一性という相克|第2章 ヘッセ、精神分析を受ける|第3章 精神分析(1917・1918)夢日記|第4章 創作デミアンと精神分析|第5章 『シッダールタ』Siddhartha|第6章 『荒野の狼』不滅の人へ|第7章 『ガラス玉遊戯Das Glasperlenspiel』に込められたもの―統一と自己治癒|終章 各章のまとめとヘッセ最後の告白
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