サイズ
高さ : 1.80 cm
横幅 : 13.00 cm
奥行 : 18.70 cm
重量 : 260.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
本書では、ひきこもり問題について研修や講義で話していること、研修や取材で質問に対して答えたことなどを文章にしてみようと思います。ひきこもり問題に関する近著としては、前書『青年のひきこもり・その後』がありますが、読み返してみるとかなり難しい内容です。前書を使って研修や講義をしようとすると、かなり丁寧に解説しながら話すことになるので、それらの内容をこの本に入れたいと思いました。また、外来診療やインテイク面接に陪席する人たちから自分の診療や面接について感想を伺う機会があります。たとえば、私は患者・来談者の話を必ずしも最後まで聴くことをせずに途中で遮ったりもするので、これにはしばしば驚かれます。それから、インテイク面接では、問診票にも入っていないことをあれこれと質問します。また、なぜそれを尋ねたいのかを説明しながら質問することも多いので、これらについても書いてみたいと思いました。さらに、臨床指導や助言の際に繰り返し使う決まり文句のようなものもあるので、この機会にそういうことも書いてみます。したがって本書は、ひきこもりケースに関する相談支援を中心としつつも、もっと一般的な相談支援や面接の技術についても触れることになると思います。その他、注目されている中高年のひきこもり問題について第4講で触れます。あとは危機状況に対する支援指針。これは以前からずっと取り上げてきたテーマですが、二〇一九年五月に川崎市で通学中の小学生が刺殺されるという事件が起きたこともあって精神保健福祉領域ではますます重要なテーマになっているので、難しいテーマではあるのですが、これまでよりもう少し踏み込んで第15講で取り上げます。第5講には生物・心理・社会モデルのアセスメント手法が出てきます。これについては、拙書『医療・保健・福祉・心理専門職のためのアセスメント技術を高めるハンドブック 第2版』(明石書店)を併せてお読みいただくと理解しやすいかもしれません。用語の使い方としては、「聞く」という用語も使いますが、「注意深く話を聞く」ことを意図しているときには「聴く」を使い、問うこと、質問すること、尋ねることを意図しているときは「訊く」を使っています。精神科の診療とか心理療法、カウンセリング、精神保健福祉相談、それから相談支援事業や生活困窮者支援などに携わる福祉専門職の相談面接に本書を活用していただきたいと思っていますし、あとは、精神分析がこれまで私たちにもたらしてくれた知見を、さまざまな専門職・援助者に活用してもらいたいという意図もあります。ひきこもりケースの支援、また広く医療、保健、福祉、心理領域に携わる専門職の皆さまにご活用いただければ幸いです。(「序言」より)