サイズ
高さ : 2.20 cm
横幅 : 13.40 cm
奥行 : 19.00 cm
重量 : 380.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
スイスの分析心理学者カール・グスタフ・ユングの名前はわが国でもよく知られている。彼はフロイトと共に初期の精神分析の発展に力をつくしたが、後にフロイトと訣別し、独自の分析心理学を確立した。彼の説はヨーロッパでつよい影響力をもち、その専門領域を超えて、ひろく宗教・芸術・文学などの分野にまで影響を及ぼしている。本書はユングの自伝である。彼の仕事と生活はいかにして形成されたか。そのユニークな洞察力と多くの理論がいかなる経験的背景をもつのか。読者は本書にのべられているユングの夢やヴィジョン(幻像)の凄まじさに、驚嘆せずにはいないだろう。ユングにとって内的世界は、外界と同じく「客観的な」一つの世界なのである。それは事象の生起している世界なのである。内界の奥深く旅して、ユングが遂に見出した「自己」について語ろうとするとき、それは神話として語るほかには、手段を見出すことができない。この本は、そうした意味で、近代における内部世界への旅を記したオデュッセイアーであるということができる。今日の時代精神が、外向的な面に強調点をおいているときに、このような自伝を発表することの意味について、ユングは迷ったに違いない。その上、彼は自分のことについて語るのを極端に嫌った人である。しかし本文にも記されているような経過をたどって、ユングの内界からの強い要請は、81歳の老人に自らペンをもって記述するほどの力を与えたのである。そして、これはユングの遺志によって彼の死後、1962年に発行されたのであった。全2巻