サイズ
高さ : 2.00 cm
横幅 : 18.20 cm
奥行 : 25.60 cm
重量 : 520.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
本書は,グラウンデッドセオリー法による研究を計画するための基礎,質的研究特有のサンプリング法,そしてデータ収集の方法であるインタビュー法,データ分析のプロセスの解説,質的研究の「質」を高めるためにはどうするかを,できるだけ具体的な感覚がつかめるように構成してある, 近年,臨床心理学で,質的研究の技法と方法に関する関心が高まりつつある。臨床心理学において研究の方法論に関してこれほどまでに多くの人が関心をもちはじめていることは非常にうれしいことである。これまで研究というと質問紙・統計分析というおきまりのコースしかなかったために,今まで様々なノートや資料を集めながらも,研究として発表することなんてできないとあきらめて,研究活動から離れてしまった人たちもいるだろう。そのような人たちも,インタビューを通して,意味の世界を探求する質的研究の可能性に期待をもちはじめたのではないかと思われる。 本書の目的は,グラウンデッドセオリー法による質的研究の「プロセス」を解説することである。技法や方法的手続きだけでなく,研究を計画し,実施する中で,発見し,理解し,様々な判断をする研究プロセスを描くことによって,質的研究に携わることがどんなことであるか理解がより深まると考えたからである。 そこで,質的研究を実施するための必要な知識の解説に加えて,筆者が指導した学生に自身の「研究プロセス」を紹介してもらった。読者が,修士論文や卒業論文の研究を進めるうえでの彼らの足跡と変化が,道しるべになってくれたらと願っている。彼らの研究プロセスに読者がふれることによって質的研究の好例だけでなく,直線的に進まない質的研究のプロセスとそこから起こる悩みや喜びなどもわかっていただけると考えた。また,ふつう研究方法の解説書としてまとめたときにどうしても系統的に論じたり,手順として整理することができないような研究の実際がうまく感覚的に伝わるのではないかと考えた。まさに多くの人が質的研究に対して興味をもつのも,このような体験の語りの力を知っているからであろう。本書も多くのコラムを設けることによって,そのような要素をできるだけ取り入れた。