サイズ
高さ : 3.10 cm
横幅 : 13.90 cm
奥行 : 19.70 cm
重量 : 520.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
「〈宗教的なるもの〉とは、宗教とは異なる、世俗世界性のひとつの条件であって、 宗教的というよりはむしろ世俗的な身振りである、というふうに定義しなおすこと ができるのではないでしょうか。〈宗教的なるもの〉が孕む多くの概念は、 コミュニティ内における人間同士の関係性や、人間のみならず動物をも含んだ 関係性を司るものであって、この世界における世俗的な生の様式にかかわるものなのです」。 サイードの高弟であり、文化研究/ポストコロニアル批評の領域に宗教(とくに改宗) というモメントを導入した人文学者ヴィシュワナータンの、 日本語版オリジナル編集による論文集である。 ヴィシュワナータンはまず、「英文学はインドで誕生した」という新説でデビュー。 そして、世俗社会による宗教の抑圧を批判的に検証し、宗教的異端がじつは 世俗主義の生みの親であり、かつ批判の根拠にもなりうるというテーゼを、 アンベードカル(インド独立の指導者)やラマーバーイー(フェミニズムの先駆者) による「改宗」という行為を通じて論証する。 さらに、オカルティズムや神智学など、西洋キリスト教的世俗主義とは異なる、 異他的でオルタナティヴな知の系譜のうちに、世俗社会へのラディカルな批評性 を読み取る。懇切な解題とインタヴューをも収録し、ユニークなヴィシュワナータン の活動の歩みが一望できる画期的な論文集。