精神病理の形而上学

(中古品)精神病理の形而上学
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【商品説明】
 
サイズ
高さ : 1.90 cm
横幅 : 13.00 cm
奥行 : 18.80 cm
重量 : 400.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
精神医学において、ある疾患の実在性が問われるときに、その問いそのものの正統性が問われることはほとんどない。心理学において一般知能や超自我、パーソナリティ特性といった理論的対象の実在性が論じられる場合も同様である。いずれの分野においても実在(リアル)という哲学的な抽象概念の意味が問われることはほとんどなかった。その一方で、いくつかの精神科疾患の位置づけは実在から虚構へと、あるいは虚構から実在へと実際に変化してきた。前者の例としては多重人格障害が、後者の例としては外傷後ストレス障害が挙げられるだろう。著者は本書において、実在(リアル)や実在性(リアリティ)といった言葉を哲学的な抽象概念として考察する。こういった概念は精神医学において引き合いに出される一方、しばしば曖昧に、具体性を捨象して用いられてきたのである。そのうえで著者は、精神科疾患の分類および精神病理現象を考えるうえでの自らのアプローチの意義を検討する。 著者は自らのアプローチを科学に触発されたプラグマティズムと呼ぶ。この見解を提示するなかで、著者は本質主義的バイアスや診断についての直解主義、自然種および社会的構成といった概念について考察する。それから精神医学的なトピックを論じるにあたって、著者は不完全共同体モデルを提案する。この新たなモデルは、ある状態が精神科疾患の領域に含まれるか否かということを、相対主義と本質主義との双方を回避しつつ考えるためのものである。近年の精神医学においては、DSM-5から自己愛性パーソナリティ障害という疾病概念を消去すべきか否かといった議論があった。著者は不完全共同体モデルという自らのモデルを用いてこうした議論の整理を試みる。そのうえで実在、真理、客観などの概念に立ち戻り、これらの形而上学的概念を他の概念について哲学的に考えるために用いるだけでなく、これらの概念そのものについても哲学的に考えてゆくべきだと主張する。