サイズ
高さ : 4.00 cm
横幅 : 13.90 cm
奥行 : 19.80 cm
重量 : 720.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
ブラジル郊外の都市にあるヴィータという保護施設に入所している カタリナという女性の人生を手がかりに、生とは何かを描いた民族誌。 ブラジル南部の保護施設「ヴィータ」――そこは行き場をなくした薬物依存症患者・ 精神病患者・高齢者が死を待つだけの場所だった。 現地で調査中だった著者は1997年にそこで精神病とみなされていたカタリナという 女性に出会う。「言葉を忘れないために」と言って詩のような言葉を書き続ける彼女 は何者で、なぜヴィータに収容されたのか。それを探るうちに、新自由主義の影響の もと、国家・経済・医療・家族の網の目のなかで、生産性という基準で人間を選別し、 遺棄する現実が明らかになっていく。著者の粘り強い調査のすえカタリナの真の病名 に辿りついた時、彼女の綴った言葉の意味は明らかになり、尊厳は回復される。 周縁化された人々の生きられた経験を復元し更新し続けるために、現代において 人類学の果たすべき使命は何かを問い直す話題作。 本書は、マーガレット・ミード賞ほか数々の賞を受賞した。