サイズ
高さ : 1.90 cm
横幅 : 13.10 cm
奥行 : 18.80 cm
重量 : 320.0 g ※梱包時のサイズとなります。商品自体のサイズではございませんのでご注意ください。
34年間、犯罪少年事件の付添人活動を続けてきた弁護士による、15件の少年事件の記録。 (「まえがきに代えて」より) 本書で紹介する少年事件は、新聞やテレビなどのマスコミが報道したようないわゆる重大事件とは縁遠い、むしろ、ごくありふれた事件という方が正解でしょう。私ども弁護士が扱う実際の少年事件とは、こうした「普通の、ありふれた事件」が圧倒的です。 犯罪非行少年は、生まれながらにして犯罪非行の性癖を持っていることはほとんどないでしょう。当然、少年本人の生来の資質が事件に発展することがあり得ても、本書で紹介するような「ありふれた事件」では、特に両親の子育ての過程が、相当程度に影響していることは否めません。古くから語られてきたように、子どもを放任し過ぎたり、逆に過剰に干渉したりすると、子どもの生育にゆがみをもたらしてしまいます。 インターネットの普及による情報化社会の中にあっても、核家族化が進んだ日本社会の家庭では、両親が社会的に孤立している場合が多く、子育ての悩みを受け止めてもらえるシステムが乏しいのが現実です。そのため、特に母親は自分の子育てに自信が持てず、子どもとどう接すれば良いのか分からずに悩み続け、軌道修正ができないままに時間が経ってしまう。 特に、子どもが思春期を迎え、心身共に大きく変化する時期、いわゆる第二次反抗期に入ると、それまでとてもおとなしかった子どもが、急に親に対して「くちごたえ」を始めだし、親の言うことを聞かない、いちいち文句をつける、日に日に親子の間のミゾが深まる、ついには「手が付けられない」と親が嘆くようなことになりかねません。 少しでもこうした親子間のミゾを埋める手だてとして、それぞれのケースにふさわしい対応を、私なりに学び、積み上げてきたつもりです。こうした私の三十四年間の付添人活動の到達点を本書に記して、皆様のお役に立つことができたらと願っています。 ※本書に登場するケースについては、プライバシーを守るという視点から、一部記述を変更したところがあります。