中国では炭火を熱源とする寄せ鍋等の鍋料理を一般的に「火鍋(フォクオ)」と呼びます。鍋の中心に煙突のついたドーナツ型の鍋は火鍋子(フォクォズ)と呼ばれ、日本でもおなじみのしゃぶしゃぶ鍋です。 13世紀頃のモンゴルを起源とした羊肉鍋が中国に伝わり、しゃぶしゃぶの原型“シュアンヤンロー”になったともいわれています。“シュアンヤンロー”の“シュアン”は「水(湯)の中ですすぐ」という意味ですから、しゃぶしゃぶは羊肉(ヤンロー)を使うのが基本といえるでしょうか。 中国北方地域では古くから冬の定番料理となっている羊肉ですが、1903年に北京で開店した「東来順」は良質の羊肉を使用することによって評判を呼びシュアンヤンローで最も有名な店として現在も人気の高さを誇っています。ここを訪れる日本人観光客も多いと聞きます。 羊肉のしゃぶしゃぶ鍋料理は中国全土に広がるにつれて、北京風、四川風、上海風などそれぞれの地域にあったアレンジが加えられながら現代に受け継がれています。 |