44ヶ月熟成のハモンイベリコベジョータは、しっとりとしていて、常温で自然に溶ける脂は、口の中に入れるとなんともいえない芳香があり、舌触りのまったりとした質感とコクの深さを感じることができます。
![]() ハモンイベリコベジョータは脂の甘味が特徴ですので、脂の旨味をお楽しみ下さい。 |
![]() 一枚ずつフィルムシートが入っていますので、はがし易くなっています。 |
![]() 1パック40g入り(約3枚入り)です。 |
![]() シェラネバダ山脈の中腹(写真中央の少し上の白い村です)に位置するフビレス社 |
夕方になるといつもシェラネバダ山頂付近から清涼な風が吹いてきます。この山脈からの風が生ハムの熟成に好影響する風です。19世紀中頃、トレベレス地方の生ハムの美味さに感銘を受けたイザベル二世が紋章を授けた話は有名ですが、トレベレス地方のフビレス村の風は、この地方でも生ハムの熟成にとって有数の良い風が吹きます。大自然に囲まれた山麓に位置するフビレス社、こんなに生ハムの熟成に恵まれた所は他にはありません。
![]() 写真のラベルはフビレス社のハモンイベリコのラベルですが「sin aditivos」と書いてあり原材料は肉と塩(海塩)だけで添加物は無添加での製造です。(フビレス社の全製品が無添加熟成です) |
フビレス社は、もともとは「ハモンデトレベレス」という銘柄の、ハモンセラーノを生産している会社です。サラミ類の製造はいっさいやっていなく、生ハムの熟成だけを人里離れたこの地方でやっているために、こだわりは半端じゃありません。原料肉、熟成状態、そして塩に関してもこだわっています。
塩は、数年前までアルメリア産の海塩を使ってましたが、現在はアリカンテにあるトレビエハの海塩を使っています。この海塩は豊富なミネラル分を含み、スペインの天然塩として、ヨーロッパでも有名な塩です。
![]() 冷蔵庫の中でじっくりと熟成されるトレビエハの海塩 |
トレビエハの非常に粗い海塩を使っており、継ぎ足し継ぎ足しして使われますが、写真のように常に0℃の冷蔵庫で熟成保管されます。こうやって保管をすることで塩の角がとれたまろやかな味わいになるとフビレスのぺぺは言っていました。
実際に、フビレス社の生ハムの塩味はまろやかで、同じ無添加の塩だけで塩漬け熟成をかける、イタリア産パルマハムなどの塩辛さはありません。
![]() フビレス社の大理石のボデガでじっくりと熟成されるハモンイベリコベジョータ。 |
生ハムは、基本的に塩だけで(微量の添加物を使ったとしても)塩漬けされ、熟成がかけられますが、生ハムの味わいは千差万別です。 味付け(塩を味付けと表現させて頂きますが)が塩だけなのに、どうして?生ハムの味わいにこれだけ違いがあるのでしょうか?
その一つの回答がこのカビの写真になります。そのボデガによって存在するカビや酵母菌、そして乳酸菌はそれぞれ違います。 これらの良質な菌の様々な組み合わせと、それらが育まれるその土地の空気と風、そして素材である豚肉と海塩によって、生ハムの味わいが決定すると言っても過言ではありません。
フビレスのぺぺは、「うちのカビは、白カビから始まって灰色のカビが生えてくると、ハモンに味が出てくるんだ。」と言ってます。 いずれにしてもそういった感覚が、ハモン職人さんたるゆえんなんでしょうね。