選べる夏専用アイスコーヒー 300g シトラス・フローラルクール〈爽快〉&アンデス・スイートダーク〈濃厚〉
夏のコーヒーが物足りなく感じる瞬間は、氷を入れた直後に香りが霧散し、味が輪郭を失うときでした。アイスで飲む機会が増えるこれからの季節に「薄まらないおいしさ」を届けたい――それが本企画の出発点です。開発チームは、毎日焙煎所に氷と温度計を持ち込み、抽出後に氷を落とし、5分・10分・30分後の味を比較する作業を延々と繰り返しました。最後に残ったのは、方向性が対照的な二つのブレンドでした。
◆シトラス・フローラルクール
グァテマラSHBウエウエテナンゴ、エチオピア・モカ シダモ、タンザニアAAの黄金比を採用。グラスを近づけると、ジャスミンティーのようなフローラル香に、ライムや白ワインを思わせる爽快なトップノート。最初の一口は軽やかですが、後口にはほんのり黒糖の甘さが残り、飲み進めてもベタつかない透明感があります。ブラック派やワークアウト後のクールダウン、真夏のオフィスでの集中リセットにぴったりです。
◆アンデス・スイートダーク
コロンビア・ナリーニョ スプレモとグァテマラSHBウエウエテナンゴを中深煎りで仕上げ、黒糖チョコを思わせるコクと、赤リンゴの優しい酸を両立させました。
氷で冷やしても芯のある甘苦バランスが崩れず、アイスラテにすればカカオ70%チョコのようなリッチさ。休日のブランチや甘いスイーツと合わせても主張し過ぎず、お互いを引き立てます。
◆ストーリーの断片
開発初期段階、社内テイスター二十数名に「薄まっても満足できる味とは?」をヒアリングしたところ、回答は「軽快さ」と「深み」に真っ二つ。どちらかを捨てれば円滑でしたが、議論の末「二極を極めてこそ専門店の面白さ」という結論に。二系統でレシピを追い込み、最後は社員と近隣カフェの皆様を招いたブラインドテストで支持率がほぼ拮抗。その結果、両方を正式採用することになりました。
焙煎士は「アイスの温度域で甘さが残る瞬間」を探るため、キッチンで試飲する日が続きました。完成した二つの曲線は“夏の方程式”として焙煎所に記録されています。
◆ネーミング裏話
ネーミングは、焙煎士・デザイナー・営業チームの合同ワークショップで決定。「キリッとした涼風を感じる言葉」「アンデスの夕陽の甘さを想起させる言葉」といった条件からスタートし、付箋がテーブルいっぱいに貼り付くほど案が出ました。最終投票ではわずか2票差で「シトラス・フローラルクール」と「アンデス・スイートダーク」が採用。覚えやすさと味の印象が直感的に伝わることが選定理由です。
◆楽しみ方のヒント
シトラスはレモンの輪切りやソーダで割ってコーヒートニックにすると、柑橘とフローラルが一層際立ちます。アンデスは冷たいミルクにエスプレッソショットの感覚で注ぎ、緩やかに混ぜれば二層ラテが完成。時間とともに甘さと苦味がバランスを変えるので、ゆっくり味の変化を楽しめます。どちらも氷が解けきった最後の一口に、想像以上の甘みが残るよう設計されています。
◆お届けについて
できる限り新鮮な状態でお届けしたい想いから、週3回の焙煎スケジュールを確保しています。
◆最後に
氷が解ける過程まで計算して作られたアイスコーヒーは、実はまだ多くありません。私たちの二つのブレンドが、蒸し暑い日々の中で「もう一杯飲みたい」と思えるささやかな楽しみになれば幸いです。