松徳硝子がつくる極薄グラス「うすはり」。
電球用ガラスの製造技術を活かして作られたグラスの薄さは0.9mm。発売以来、料亭や老舗旅館や多くのレストランやバーで愛用されているロングセラーのグラスです。
繊細で薄い飲み口は、唇に触れた瞬間に薄いと感じる不思議な口当たり。飲み物本来の味や香りを存分に楽しむことができます。スーっと喉に流れ込んでいく感覚が心地良く、いつものビールがより美味しく感じられます。
鼓のような柔らかな曲線が美しい細身のビールグラス「ピルスナー」。飲み口だけではなく底面まで全て均一な薄いガラスで作られており、無駄のないシンプルで上品なグラスは透明度も高く、注いだ飲み物を美しく見せてくれます。
「うすはり」の魅力は、極薄のグラスから感じられる不思議な口当たり。
唇に触れるグラスの面積が限りなく少ないので、グラスに口をつけても異物感がなく、口当たりは驚くほど柔らかです。グラスを傾けると、飲み物の方からスルスルと口に入ってきて、喉を通りすぎていくような不思議な感じ。繊細な口当たりと、舌に感じる滑らかさで飲み物がさらに美味しく感じられます。
左:一般的なグラス 右:うすはり
「うすはり」を作っている松徳硝子は、元々は電球用のガラス製造を行った老舗の硝子メーカーです。電球用ガラスをつくるにはガラスを薄く均一にする技術が必要とされ、「うすはり」にはその技術が応用されています。
通常のグラスの半分以下の約0.9mmという極限の薄さを実現し、底の薄さは世界で唯一のものです。
「うすはり」のグラスは、手にするとその軽さにも驚かされます。
空気を持ち上げたように感じられるほど軽さは、ふわっとした感触で、今まで手にしたことのない感覚。グラスが薄いので、氷の感触までも手に伝わり、まるで飲み物をそのまま持っているかのよう。
その薄さから、割れやすいと思われることもありますが、薄いからこそのしなりがあり、厚みが均一なことから力が均一に伝わるので、見た目よりは丈夫です。普通のグラスより少し丁寧に扱うくらいの気持ちで使っていただければと思います。
松徳硝子は1922年(大正11年)、電球用硝子の生産工場として創業しました。
手間を惜しまず職人の手によって作り上げられる「うすはり」は、その薄さゆえ粗が目立ちやすく、材料の品質や職人の技術の高さが求められるといわれています。
松徳硝子に携わる職人たちは「手作りだから仕方がない」ではなく「なんとかしたい」という思いを胸に、飲み物をより美味しく、楽しく飲めるグラス作りに尽力。
全ての工程において職人の手仕事にこだわり、ビールグラス、冷酒グラス、ワイングラスなど、多くのガラス食器を製造しています。