東山魁夷 『柿の木と白壁の家』 木版画集:大和路三題より オリジナル木版画【生前作】

生前に制作されたオリジナル木版画集『大和路三題』の中の一作を額装した作品。
印章入りの貴重な一枚です。

当麻寺の近くの池のほとりで写生をしていると、柿畑で働いていた老人が、鮮やかな色に実った柿の一枝を折って、すぐ食べるようにと勧めてくれた。
いかにも美しいので持って帰ろうと思ったが、「この枝を持って歩いていたのでは、柿盗人と思われやしないですか」と、私が躊躇すると、「ではこうすれば大丈夫さ」と、手に持った鎌で、枝の端を、さっと切り落とし、鋭い切目をつけてくれた。
市川の自宅へ帰ってから、応接間の飾り棚に置いて、しばらく眺め楽しんだ。
(東山魁夷による解説文)

技法:木版画
監修:東山魁夷
彫摺:アダチ版画研究所
限定:378/450
画面の寸法:26.5×34.5cm
額縁の外寸法:46.7×54.3cm
額縁の窓 :アクリル
額縁の仕様:銀ヤキ色木製日本画仕様額縁・裏面に壁吊り用金具・ひも付き
発行所:毎日新聞社
レゾネNO.:114
状態:【新古品】
版画集は昭和55年4月1日発行
シートのまま保管されていた本作品を新しく額装したものです。
作品にシミ・焼けなどなく状態は非常に良好
額縁は特注の新品額縁です。


【東山魁夷】

明治41 横浜に生まれる
昭和6 東京美術学校日本画科を卒業 結城素明に師事し雅号を魁夷とする
昭和25 日展審査員となる
昭和31 日本芸術賞を受賞
昭和40 日本芸術会員に任命される 日展理事に就任
昭和43 皇居新宮殿の大壁画『朝明けの潮』完成 文化勲章・文化功労者として顕彰される
昭和55 唐招提寺壁画を完成
平成2  長野に東山魁夷館開館
平成7  米寿記念展開催
平成11 没