楽譜 NAS-BT057A 伊藤康英/交響詩《時の逝く》【スコアのみ】(T:17'00'')
交響詩《時の逝く》
出版社:イトーミュージック
ジャンル:吹奏楽
初版日:2023年08月25日
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グラール・ウィンド・オーケストラ(Gral Wind Orchestra)10周年記念委嘱作品。2000年5月25日完成、同年7月8日、佐川聖二氏の指揮により初演。 作曲の直前に義母が亡くなり、図らずもこの曲は「レクイエム」のような作品になった。また、その数年前に林望氏より「鎮魂十二頌」という12編の詩集を受け取っており、第1曲「時の逝く」を無伴奏合唱曲に作ってあった。それを曲の最後に引用、混声合唱を伴う4部からなる作品となった。(合唱は、吹奏楽のメンバーが歌うことができるし、別に用意しても良い。また、アルト独唱を伴っている)。それぞれ「ラメント(Lamento)」「行進曲(Marcia)」「怒りの日(Dies Irae)」「時の逝く(As Time Is Passing On)」と題されている。初演の指揮者である佐川氏を泣かせるような音楽を、と依頼され、佐川氏はワーグナーがお好きとのことで、少しワーグナー的な趣を持たせたところもある。 第1部「ラメント(Lamento)」は、合唱曲「時の逝く」に引き続く音楽として開始する。途中に「時の逝く」と歌われるコラールふうの動機が象徴的に現れる。 第2部「行進曲」は、「時の逝く」の動機による音楽。リストの交響詩「前奏曲」の標題を思わせる音楽。 続く第3部「怒りの日(Dies Irae)」は、典礼文「怒りの日」の歌詞を一節だけ歌わせることによって開始する。が、この部分はすべて「怒りの日」の8節からなるラテン語の歌詞をすべてメロディーに乗せ、合唱で歌うことができる。 第4部「時の逝く」。混声四部合唱で歌われる。(この部分は、歌を入れずに吹奏楽のみでも演奏できるし、オルガンを加えることも可能)。この合唱に続けて、嬰ハ長調の主和音が最弱奏で鳴り響く中、「requiem aeternam(永遠の安息を)」と歌われて全曲の幕となるが、それは同時に、この曲の冒頭も示唆する。始めもなく終わりもない循環する音楽といえるかもしれない。(伊藤康英)
T:17'00''
収載内容:
交響詩《時の逝く》