楽譜 鹿野草平/晩夏の歌 夏のおわりが語ること〜【吹奏楽スコア】(FML-0282FS/302-09232/中編成/G.5/T:09:20)
晩夏の歌 夏のおわりが語ること〜
出版社:フォスターミュージック
ジャンル:吹奏楽
サイズ:A4
初版日:2021年02月24日
Commissioned by 仲田 守(オーガナイザー)日野謙太郎(光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部)楊 鴻泰(六甲ヴェルデ吹奏楽団)奥山泰三(ウィンドアンサンブル・ソレイユ・ふくい)松本壮史(おかやま山陽高等学校吹奏楽部)岩田俊哉(川崎医療福祉大学ウインドオーケストラ ハートフルウインズ、玉野ウインドオーケストラ)<謝辞>この楽曲は、上記の指導者・団体の皆様の共同委嘱により制作されたものです。特に仲田先生、日野先生と光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部の皆さん、岩田先生には多大なご協力をいただきました。本作を産ませていただいた皆様に篤く感謝申し上げます。本作は私の「夏」への希求に対し、一旦の結論を示した楽曲である。2009年に書いた『吹奏楽のためのスケルツォ第2番《夏》』では、当時の自分が憧れる「夏」が表現された。自分はその「夏」を文章であらわすとき「永遠に手に入らない理想としての夏」等と説明した。それから10年経ち、一定のキャリアや人生経験を積んだ今、自分の「夏感」がだいぶ変化したことに気がついた。私はこれに、現在の「夏」に、今一度真正面から取り組んでみようと決意した。前作のセルフ・アンサーソングとして、また、自分が希求する理想世界の「夏」の変化(または変わらないもの)を音楽で表現したいと思いたったのである。その結果、楽曲は前作より、自然的で、素朴なエッセンスが大きく入り込んだものとなった。これは成長と捉えることもできるし、求心力の低下と捉えることもできよう。広範な聴衆の判断が待たれる所である。楽曲は冒頭、『スケルツォ第2番』の最後に奏される、主和音に行き届かない2つの和音が拡大され提示される。この主題は楽曲全体に散りばめられている。楽曲は、この和音の解決に向かっていく思考が主眼となる。表現主義的な音塊、不安を煽る無調のアダージョなどが展開されたのち、私が長年追求している変拍子のプログレシヴック調に、牧歌的な部分が配合された楽想があらわれる。その後調性のアダージョとなるが、低音には19歳のときに作曲した、夏を賛美するメロディを使用した。制作年を1999〜2020としたのはこれに由来する。最後は冒頭に提示された和音列が再現され、主和音である「Ebメジャー」という結論によって締められる。この和音は“Summer"の頭文字S、そして作者のイニシャルであるSをEsに転化させた音名象徴でもある。(鹿野草平 )
FML-0282FS/302-09232/吹奏楽譜(スコア):中編成/G.5/T:09:20
収載内容:
晩夏の歌 夏のおわりが語ること〜