北海道では昔から焼き肉の定番として人気のあるジンギスカン。
中でも柔らかくて香ばしいラム肉(子羊)のものは、脂身が少なく赤身のじゅわっとした癖のない味でとても人気があります。
イギリスの王室料理やフランスの高級料理界では、子羊の肉は「最高の食材」とされているそうです。
牛肉よりも価格が高いほどで世界中で価値が認められており、栄養価の面でも他の肉にはない魅力をいっぱい持った理想的な栄養食ということが分かってきました。
特に近年、脂肪が少なく高タンパクということで、ダイエットや健康面にも向いていると注目を集めています。
羊の肉では大きく2種類に分けられます。
「ラム肉」は生後1年未満の羊の肉とされ、「マトン肉」はだいたい2歳以上の成羊の肉を言います。
昔はマトンが主に食べられていましたが、冷凍肉は鮮度が悪いと臭いがきつく敬遠されることもありました。
それも冷凍技術がまだ未熟な時代の話で、今では熟成してから急速冷凍しますので臭いや癖もなくなりました。
ラムはマトンよりもクセもなく非常に柔らかいので食べやすく、ネギ類やもやし・ニラなどとも相性が良いようです。
熟成の期間は肉によって日数が違い、鶏は24時間、豚は1週間、牛は3週間、そして羊は2週間ということで、温度と時間でうまみ成分のアミノ酸が生じて肉の美味しさに大きな影響を与えます。
ニュージーランドラムは、農薬を使用していない自然の牧草を食べながら飼育された「グラスフェッド(牧草飼育羊肉)」です。
赤身が多くあっさりした臭みのない味わいが特徴で、無駄な脂肪分がないのでヘルシー志向で、何度もマスコミに取り上げられました。
さらに、ニュージーランドは抗生物質を動物に与えることを禁止していますので、とても安全です。
ちなみにオーストラリアは牧草と干し草での肥育が多く、濃い味のお肉が好きな人に好まれるようです。
どちらも牧草の農薬使用も禁止ですが、グラスフェッドのニュージーランドラムはまさに「オーガニック」とも云え、お肉の中でも貴重な「安全肉」なのです。
ニュージーランド産のラムは生後4〜8ヶ月で出荷されるため15kg前後と小ぶりなので(オーストラリア産は6〜10ヶ月が多く体重が増える)、なおさら柔らかい歯ごたえと肉汁の香ばしい甘味がたまらないのです。
タンパク源といえば米や豆類も重要ですが、羊肉の方が圧倒的に多く理想的な高タンパクを誇り体質改善には効果的で、牛肉と同じようにレアで食べられるので栄養素も壊さずに摂取することができます。
栄養成分としては鉄分やカルシウムが多く、圧倒的に赤身が多いので消化が早く、栄養を効率よく吸収することができます。
羊肉100gは約143カロリーで、100gあたりのコレステロール含有量は、牛肉65mg、豚肉69mg、卵250mgに対し羊肉は50mgと、とても魅力的な食材です。