原糸の均等性に優れた4本編み工法『VT工法』
強力安定
編み構造の偏りを防ぎ、強力が安定しやすくなっています。
糸ツブレ抑制!
ラインが偏平になりづらく、無駄なラインスラックを抑えます。
ナチュラル
サーフェイス
添加物を抑え、原糸そのものの強力を引き出します。
号数 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.8 | 1 | 1.2 | 1.5 | 2 |
最大強力lb | 8.6 | 10.3 | 12.5 | 17.8 | 20 | 27 | 31.7 | 38.7 |
最大強力kg | 3.9 | 4.7 | 5.7 | 8.1 | 9.1 | 12.2 | 14.4 | 17.6 |
PL-M54R 150m | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
150m カラー | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン |
PL-M64R 200m | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
200m カラー | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン |
PL-M74S 300m | - | - | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
300m カラー | - | - | - | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン | ライムグリーン |
■いまさら聞けない!飛距離実験
4・8・12本編みPE
シーバスプラグでどれほど違う?
海にも山にも生命感があふれるこの季節。我々アングラーも様々なターゲットを求めて活動的になっている。私たちが楽しんでいる釣りは、多種多様なジャンルがある。
フィールドも違えば魚の習性もまちまちで、それに応じて道具も同じ数だけ存在する。ルアーフィッシングを例に挙げれば、ロッドにリール、ライン、リーダー、ルアー、更にはフックやスプリットリング、スナップ・・・と本当にたくさんのアイテムがある。そのなかで、今回取り上げようと思っているのがメインライン。釣りという遊びにおいて、「ライン」はなくてはならないもの。人間と魚とをつなぐ、ある意味最も重要な道具ではないだろうか。
逆に言えば、メインラインはターゲットや釣りのスタイルを問わず道具のなかで絶対に必要となるアイテム。この選択をミスすると、道具のバランスが崩れたりゲームそのものが成立しなくなる。ロッドやリールのような華やかさのない地味な存在ながら、釣りの根幹にかかわっているメインライン。クルマに例えるなら「タイヤ」のような存在だ。
どんな高性能スポーツカーやオフロード車でも、タイヤが用途に合っていなくてはその能力が発揮できない。パワーのあるフォーミュラカーに市販車のタイヤを履かせてみても、機能しないどころか走ることすらままならないことは察しがつくだろう。クルマにとってタイヤは最も重要なパーツであるのと同じように、釣りにおいてはメインラインがそうなのだ。今回はそのラインについて、改めて考えていこう。
■おさらい。PEってどんなところに優れたラインなの?
ルアーフィッシングにおいて使用されているラインは、大きく分けて4タイプの素材がある。
ナイロン、フロロカーボン、エステル、そしてPE(ポリエチレン)だ。それぞれに長所と短所が存在するが、現在使用率が最も高いのはPEだ。
このラインの多くはポリエチレンの細い編み糸を束ね、それを更に編み込んで作られたもの。製法が複雑なので発売された当初は非常に高価であったが、直線強力の高さと伸びの少なさによる感度の良さは絶大なる支持を獲得。あらゆるゲームのメインラインとして普及し、より遠くへ、より深くへと進化を続け、様々なゲームシーンに対応する唯一の存在となっている。当初はオフショア用に開発されたが、現代ではもっぱらルアーのキャスティングがメイン。特に飛距離や水の抵抗の少なさ、高い感度を求められるゲームで欠くことのできない存在となった。
PEは直線強力が圧倒的に勝るため、単純な引っ張りっこはどのラインよりも強い。より細いラインが使えることが強味で、ナイロンラインを使用していた時代に比べるとおよそ1/3の太さでゲームが可能になった。細くなったことでまず、飛距離が伸びる。そして水の抵抗が少なくなるというメリットも生まれる。またライン自体の伸びの少なさがもたらす感度と高い操作性は、あらゆる釣り人から称賛される。
そして吸水しないため、他の素材より経年劣化が少ないこともうれしい。ロングライフであることは、すなわち最終的なコストパフォーマンスにつながる。
■そんな優れたPEだけど、やっぱりネックは・・・値段!
ここまでPEラインの利点ばかりを書いてきたが、もちろん弱点もある。
細い繊維のものを編んでいるためコシがなく、糸さばきが悪い。またポリエチレンは熱に弱いため、根ズレや結束で生じる摩擦熱に弱い。そして最大のネックは初期のコストパフォーマンスが悪いこと。ただし経年劣化に強いと述べたように、長持ちしてくれれば補ってくれる。かつてのPEラインは本当に値段が高く、アメリカから個人輸入するアングラーも多くいた。しかし今では高性能のラインでもリーズナブルな価格で手に入る時代になった。消耗品である釣り糸が安く手に入るというのは、現実問題としてありがたいことだ。そもそもシマノのPEラインは性能に対してコストパフォーマンスに優れると評判だ。特にキャスティング用では多くのアングラーが愛用している。
そんななか、今年発売されたPEの『ピットブル』。これは高分子量ポリエチレン『IZANAS』を素材とし、より高強度と低伸度を実現。製造方法にも工夫がなされていて、対角にある原糸を逆方向にひねることで密に均一に編み込む『VT工法』。強力と低伸度を高めた『タフクロス2』も採用(12本編みのみ)。それでいて驚異的なコストパフォーマンスも遂げているのが特徴で、今シーズンはメインとして私も使っているラインだ。PEは編み糸であることは先に述べたが、ピットブルは4本、8本、そして12本の3タイプがリリースされている。この編み数はラインの性能に少なからず影響を及ぼすのはご存じの通り。でも、それが実際にどれほどなのか、皆さんも違いを気にしているのではないだろうか?
そこで、各タイプの飛距離と使用感を比べてみたいと思う。キャスティングテストの結果を踏まえ、私の独断と偏見でインプレッションしてみよう。
■ピットブル・キャスティング飛距離実験
【アイテム】投げるルアーは『エクスセンス サイレントアサシン 99SP AR-C』
【ルール】同じタックルでそれぞれ8投し、最長と最短の二つをカットした6回の平均飛距離を出してみた。
※小数点第2位は四捨五入
○4本編み
1投目:47.5→2投目:47.0→3投目:53.0→4投目:46.0→5投目:48.5→6投目:49.0
平均:48.5メートル
○8本編み
1投目:54.5→2投目:49.0→3投目:55.5→4投目:52.0→5投目:55.5→6投目:55.0
平均:53.6メートル
○12本編み
1投目:57.0→2投目:51.0→3投目:58.0→4投目:56.0→5投目:60.0→6投目:54.5
平均:56.1メートル
○4本編み→8本編み(110.5%UP!)→12本編み(104.7%UP!)
■4本編み ピットブル・ピットブル+・タナトル
PEラインのベーシックな製法で作れるし、4本編みは価格が安い。PEラインの性能を、身構えることなく手軽に感じられるのはいいところ。ラインが消耗品であることを考えると、ある程度は新しい製品を使用することが道具としては望ましいわけだ。「低価格」というのは高い性能といえよう。
また8本編みや12本編みに比べて適度な張りもあるため糸さばきが良くトラブルも少ない。だからこそPEのエントリーとして最適と言われる。しかしながら、使用感として気になるのは編みの目が粗いこと。4本編みはガイドを通る際の感触が強く音も大きい。そして8本や12本と同じ号数で比べると、触った感触も太い。同じ号数(線径)ながら編み糸なので、つぶれ方や表面の凹凸の差が太さの違いを感じさせるのだ。
実際にテストした結果、3タイプのなかで一番飛距離が出なかった。空気やガイドへの抵抗が大きいことが証明された。
4本編みのベストチョイスを考えたときはこうだ!
ライントラブルが起きやすい近距離戦、そしてベイトタックルを使用する際にいいだろう。
またドリフト時、ラインをあえて流れに乗せたり絡ませるときも効果的。なお表面積が大きい分だけ結束強度が高いので、ノットに不慣れな方でも安心だ。
■PEラインのファーストステップ。それはスプールに巻くこと
以上、ピットブル3タイプの違いをご紹介した。このラインはどれも低伸度で感度が非常に高く、これまでより進化したPEであることは間違いない。
高性能ラインがいかほどか、一度試しても損はないと思う。最後に、これからPEラインを使いたいと考えているアングラーの皆さんへ使用に際しての私の考える注意点を紹介しよう。まずラインをスピニングリールに巻く際、伸度の少ないPEはスプールに結んだ部分が緩みやすいためテープで止めてほしい。
結びが緩むとスプールに巻いたラインがフカフカになり、クルクル回って釣りにならないこともある。私の場合は水や油にも強い絆創膏を適当なサイズにカットして結び目に張っている。また、ラインは温度によって膨張と収縮をする。寒冷地での使用が想定される場合は、ラインを巻く前に冷蔵庫で冷やしてから行っている。そしてスプールに巻く際は、号数にもよるが強すぎず弱すぎずのテンションを掛けること。
■ラインを長持ちさせ滑りをよくして劣化を防ぐ
釣行前後に吹き付けておけばガイドの滑りもよくなり、長持ちするし飛距離も出ます。
PEラインアクティブスプレー