脳の大統一理論: 自由エネルギー原理とはなにか (岩波科学ライブラリー 299)
脳は推論するシステムだ 知覚、認知、運動、思考、意識──それぞれの仕組みの解明は進んできたが、それらを統一的に説明する理論が長らく不在だった。神経科学者フリストンは新たに「能動的推論」を定義し、単一の「自由エネルギー原理」によって脳の多様な機能を説明する理論を提唱した。注目の理論を解説する初の入門書。 目次 まえがき 脳の構造 1 知 覚――脳は推論する 2 注 意――信号の精度を操る 3 運 動――制御理論の大転換 4 意思決定――二つの価値のバランス 5 感 情――内臓感覚の現れ 6 好奇心と洞察――仮説を巡らす脳 7 統合失調症と自閉症――精度制御との関わり 8 認知発達と進化、意識――自由エネルギー原理の可能性 あとがき 参考文献 付録 自由エネルギー原理の数理を垣間見る