『死にたいって誰かに話したかった』南 綾子(双葉社)

あたたかい家庭がほしいと願いながら、恋人どころか友人もできず空回りばかりしている奈月は、生きづらさを抱えて日々暮らしていた。
悩みを共有できる人がいないか、「生きづらさを克服しようの会」を勝手に発足し、勧誘チラシを撒く。
すると、モテなさすぎて辛いと話す男性から連絡がきてーー。
どうして私たちは他の人のように「普通」に生きられないのか。
生き方に悩む男女が不器用に前進していく。


南綾子(ミナミアヤコ)
1981年愛知県生まれ。2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


ほぼ月刊yomooya! vol.25 〜わたしの”推し”本〜
冒頭から数頁ごとに、喉の奥がぐっとなるのをこらえながら読みました。
思い出すたびに嫌になること、上手くできなかったこと、理解されず苦しかったこと…
過去のあれこれ(今も絶賛生産中です)が、これでもかと掘り起こされました。
誰かに話を聞いてもらえたら少しは楽になるのかな、と思うこともあるけれど、「理解されないに違いない」
「自分がこんな人間だとバレるのが恥ずかしい」「そもそも話せる相手がいなかった…」なんて余計落ち込んでしまったり。
このお話の登場人物たちは様々などうしようもない思いを抱えています。
ある時から【生きづらさを克服しようの会(生きづら会)】の参加者として集うことになり、
その一歩をきっかけに、それぞれの生活は少しづつ変わり始めるのですが、当然それだけで全てがうまくいくわけではなく・・・。
読む視点によって感想は違ってくるかもしれませんが、自分を含めた誰かを思いやるきっかけや気づきを与えてくれる物語だと思います。
どこかで聞いた「優しさは想像力」という言葉がずっと頭に残っていて、個人的にその通りだと思っているんですが、
さらにその考えを【生きづら会】のみんなが深めてくれた気がします。
なんだか久しぶりに感想を誰かに話したい!と思えた素敵な読書時間でした。



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