酒井抱一『光琳百図 上』
琳派芸術を後世に伝える基本文献
尾形光琳の自由でのびやかな画風につよく惹かれてやまなかった江戸の絵師・酒井抱一は、文化12(1815)年6月2日、光琳の百回忌に合わせて遺墨展を催すと、絵を集めるにつれ写しあげ、とうとう百点の絵書を描きあげた。私家版展覧図録として少部数が配布され、のちに後編が刊行された『光琳百図』は、やがて人々の間にひろく光琳を知らしめ、海を越えジャポニズムの旋風を巻き起こしてゆく。出会うことのなかった人と人との私淑と出版をつうじて継がれていった琳派芸術のあり方を物語る、日本史上初の個人画集。全四巻。
- 書 名:光琳百図 上
- 著 者:酒井抱一
- 絵 師:尾形光琳
- 仕 様:B5変判(257 × 168 × 2.5ミリ)32頁|糸ミシン綴
- 用 紙:竹はだGA_209.34g/m2|オペラクリームマックス_64g/m2
- 初 版:1,500部|2020年7月3日
- コ ー ド:ISBN978-4-907511-78-4|C0071
- 讃 辞:ああ、上人が成し遂げたこの仕事は、上人が光琳をいかに深く敬ってきたかを知るに十分である。もし今は亡き光琳がこれを知ったならば、光琳は抱一上人をいつも理解しあえる親友としたことであろう。――亀田鵬斎(前編序文)(小野村博訳、中國古典學會『中國古典研究』「『光琳百図序』訳注」より)