永瀬牙之助『すし通』
昭和五年に世に出た、鮨の名著
煙草屋は娘、
魚屋は若い衆、
鮨屋はおやじが看板である
鮨の食べ歩きを始めようとする人にとっては、「お前の口には勿体ないが食わしてやる」といった面構を忍ぶだけの、あるいは味わうだけの忍耐が必要である――。江戸の古老健在なりし昭和五年に世に出た、鮨の名著。
- 著 者:永瀬牙之輔(ながせ・がのすけ)
- 仕 様:文庫判(148 × 105 × 6.4ミリ)|160頁|イワタ明朝オールド9ポ
- ISBN978-4-907511-22-7
- 用 紙:本文:三菱クリームエレガ66.3g/m|表紙:三菱ダイヤバルキー145.5g/m
- 製 造:竹尾|精興社|加藤製本
- 初 版:2016年12月22日|2000部
名おそろしきものいにずし、それも名のみならず見るもおそろし
――清少納言『枕草子』
私は鮨について他人に語ろうなんて努力したことは今まで少しもなかった。また衒学的な気持など微塵もなかった。まして通人たらんとも、鮨通たらんとも思ったことは少しもなかった。ただ美味を美味をと追求したのである
――永瀬牙之輔