チューリッヒを拠点にする日本のフォトグラファー、富安隼久の初作品集。本書はドイツのライプツィヒにある学生寮の部屋の窓から公園に置かれた卓球台を5年間定点観測撮影した写真で構成。一枚一枚に物語を想起させるようなその構成の巧みさが話題となり、MACKが主催するFirst Book Award2018年グランプリ受賞に伴い刊行されました。本来の卓球台として使われるだけでなく、思い思いに過ごす人々の姿や時間や季節の移ろいが異なる表情を見せ、デッドパン・スタイルの持ち味が活かされている一冊です。