

― 私が二女の子育てを通して感じてきたことがデータによって裏付けされたように感
じました。
二女が産まれてすぐ重度の食物アレルギーと診断された時,主人が体験してきたよう
なアレルギーマーチが彼女にも起こるのだと絶望したのですが,実際はそうではありま
せんでした。食物アレルギーは舌下療法で徐々に改善されましたし,その後,喘息を引
き起こしているわけでもない。
長女は幼児期喘息になりかかっていたのですが,早期に治療をしたので現在は完治し
たと言っていいと思います。
長女と二女は7 歳差ですが,二女の学校行事の際の食物アレルギーの申告者数は少し
増えているように感じますし,中学生になってお友達が喘息を起こしたという話は聞き
ません。
一方,よく聞くようになったのは花粉症や結膜炎,鼻炎です。
花粉の季節になると,市販の飲み薬を飲んでいるという人もいるし,耳鼻科で新しい
治療を試したという話もちらほらと聞いています。
そこで,漠然と「費用はどれくらいかかるのだろうか」と感じ,二女も主人も結膜炎に
悩まされているので,治療に踏み切るタイミングはいつかくるのだろうか,と感じました。
衝撃を受けたことは,時代劇の中の話と思っていた金額によって薬をあきらめるとい
うことがすでに現実にあるということで,確かに実際私自身も,ヒルドイド*でさえ無料
ではなくなったら皮膚科に頻繁に行かないかも,と思ってしまいました。さらに衝撃だっ
たことは,そのことが,日本の医学水準に影響を与えるということでした。
今回の対談のテーマに医療費と入っていて,医療費を支払う患者だけの問題と思って
いましたが,そうではないということがわかりました。症状として鼻水,涙が止まらなく
て日常生活に支障が出ている人をよくみかけるようになったので,次号の花粉症特集に
こそ,これから費用によって新しい治療を試してみようという人も増えるのではないかな
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
