

父親にも夫にもならなかったワーニャ伯父さん。都会で大学教授をしていた年上の義理の弟に長年仕送りをつづけ、いまは退職して田舎の領地にやってきたその教授夫婦に生活のリズムも心もかき乱される日々。森林保護に熱心な知人の医師のように世の中の役に立つこともなく、恋心を満たすこともできず、仕事しかしたことがないワーニャ伯父さん。身近な人たちと、そして自分自身と向きあうことはむずかしい。平凡な日常の中にこそ最も根本的な問題がある…チェーホフの問いかけはいつの時代もわたしたちの胸にひびく。
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