使命的職業観を示し、「天職」とも訳されるコーリング。本書はコーリングにかかわる、経営学とその周辺の社会科学の古典の選択的検討によって概念の成立過程を素描している。また、最新のキャリア研究を網羅的にレビューするによって近年の展開をまとめている。さらに、自身によって複数の組織や職業を調査対象とした経験的分析をおこない、コーリングを有する人材はどのような個人的成果、組織的成果をもたらしうるのか、組織倫理のマネジメントにはどのような影響がありうるのか、個人の働きがいや働きすぎの問題にはどのようにかかわりうるのか、などを多面的に検討している。経験的分析の結果にもとづき、コーリングの有する人材マネジメントのあり方を導出している。本書は「どのような職業もコーリングにできる」「不確実で多義的な時代にこそコーリングは有効である」「コーリングを有する人材を適切にマネジメントできる組織は栄える」ことを実証する第一歩となる研究である。
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