

アジア・太平洋戦争後の日本で一九四九年に始められた失業対策事業。この事業に従事したのが、いわゆる「ヨイトマケ」、「ニコヨン」と呼ばれた失対労働者たちである。
本書は、戦後社会運動と失対事業の関係から、戦後失対事業と失対労働者・自由労働組合の相互関係を明らかにする。
被差別部落民、在日外国人や高齢者、女性たち、様々なマイノリティやジェンダーバイアスが含み込まれた失対労働者を対象として、ゆらぎやゆがみ、格差・社会的差別などを組み込んだ彼/彼女らの権利主体化過程の解明とその困難を、一次史料をもとに実証的に分析する。
■目次
序章 戦後失業対策事業・失対労働者研究の意義と射程
第一部 戦後失業対策事業・失対労働者とジェンダー・社会的マイノリティ
第一章 全日本自由労働組合婦人部の形成と構造
第二章 戦後失業対策事業・失対労働者と部落問題
第三章 戦後失業対策事業・失対労働者における在日朝鮮人
第二部 戦後失業対策事業・失対労働者と都市社会
第四章 戦後失業対策事業と失対労働者運動の構造と展開
第五章 戦後都市社会政策と女性失対労働者
第六章 戦後失対労働者における自立演劇サークルの上演活動
第七章 失対労働者の存在形態と権利主体化の問題
終章 成果と課題
戦後失業対策事業・失対労働者年表(1946〜1960年)
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