インドの最近の成長率は印象的である。2004年以降、実質GDP成長率は毎年8%を上回っている。同国はまたハイテク製品やサービスで世界トップのイノベーターになりつつある。しかし、インドはそのイノベーションの潜在力を発揮しているとはいえない。ダイナミックな青年層―その半分以上は25歳未満であるが―でさえ、技術訓練や高等教育が不十分な時には制約を受ける。競争力、経済成長、そして長期にわたる生活水準の向上を維持するために、インドはそのイノベーションの潜在力を積極的に活用する必要がある。イノベーションという用語を本書では、「新しい知識の創造・商業化」と「既存知識の普及・吸収」の両方を含むように新しい文脈で幅広く定義している。本書のユニークな特徴はこのような包括的イノベーションに焦点を当てていることである。それは、貧困者のニーズに最も深く関わる知識の創造や吸収の活動である。競争という規律を働かせることを通じて生産性を高め繁栄を拡大するために、具体的な勧告が提言されており、それには訓練や教育、情報インフラ、そして広範な基礎を持つイノベーションの支援メカニズムとしての官民ファイナンスが含まれている。本書は、国や地方の政策策定者、民間セクター企業、学究機関や研究機関、国際組織、市民社会に、経済成長や貧困削減を促進するイノベーションの力についてより良い理解を提供しよう。
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