鴎外漱石から荷風へ nil admirariの表明と主人公達/福多久

著:福多久
出版社:郁朋社
発売日:2009年02月
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内容紹介
明治二十三年、数え年二十九歳で『舞姫』を書いた森鴎外は、主人公太田豊太郎に、彼が留学先のドイツで「物学びせし」過程において「一種のニル、アドミラリイ」の気象を養い得たと表明させた。鴎外がこう記した二十年後の明治四十三年、『それから』を開板した夏目漱石もまた、主人公長井代助が「三十になるかならないのに既にnil admirariの域に達して仕舞った」と説明した。日本近代文学を代表する二人の主要作品の主人公に「nil admirari」の気象が醸し出されるのを表明させた意味は何だったのか。

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