英雄ヘラクレスは、古代ギリシア・ローマ時代から、現代日本を含めて今日に至るまで、繰り返し現われ続けている。この英雄が、人間の夢・願望と、その裏面としての、存在にかかわる不安心理とを、もっとも良く体現しているからである。本書では、神話心理学的な視点を取りながら、ヘラクレス神話という超時代的・超文化圏的な現象を、ギリシア・ローマ時代に即して読み解いた。前半部では、夢や英雄願望の観点からヘラクレス神話を解明し、それも踏まえて後半部では、繰り返し現われるヘラクレスという現象を、より集中的に論じている。
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