

『炎芸術』は1982年に創刊し、40年以上にわたり近現代の陶芸家を紹介してきた。作品を見る場所は、陶芸専門のギャラリー、美術館、公募展が中心であった。しかし、様々なジャンルの作品が一堂に並ぶアートフェアが徐々に増え、陶芸以外の工芸家の作品を見る機会が多くなると、その表現の多彩さや可能性に気付いた。9年前から連載「現代工芸の作り手たち」を開始し、別冊『ガラス工芸家100人』(2021年)、『漆芸家100人』(2024年)の刊行を通して陶芸以外の作品を詳しく見ていくと、陶×ガラス、陶×漆など、ジャンルの境界を越えて素材や技法を組み合わせて制作する作家が増えていることが分かった。本特集では、1990年代からいち早く陶とガラスを組み合わせた作品に取り組んできた田嶋悦子を中心に、今までに見たことのない表現を追い求める作家に注目し、工芸の最先端の動向を紹介する。
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