特集:文体は人生だ!
文体が合う本は読んでいて気持ちいい。では、文体とはなんなのか!? というわけで、本の雑誌3月号の特集は「文体は人生である!」。絶叫歌人福島泰樹の言葉は「音」である!インタビューから、嵐山光三郎と椎名誠が振り返る昭和軽薄体の衝撃、パスティーシュの愉しみにシミタツ節のダンディズム、文章読本読み比べに現代文学、世界文学、エッセイ、3ジャンルの文体が感じられるブックガイド、そして読者の好きな文体まで、文体の謎と真実に迫る22ページ。いざ、めくるめく文体の世界に飛び込むのだ!
新刊めったくたガイドは吉野仁が落ちこぼれ男のロードノヴェル『クライ・マッチョ』が痛快だ!と太鼓判をおせば、藤ふくろうは人間の感情ヘドロをえぐり出す『壁の向こうへ続く道』を堪能。大森望がIT+ナチスの改変SF『NSA』をお薦めすれば、古山裕樹は命を賭けた推理ゲーム『名探偵に甘美なる死を』にびっくり。高頭佐和子が町田康『男の愛』にLOVE次郎長!なら、すずきたけしは新たな視点で世界を見る八馬智『日常の絶景』で上書き保存。そして北上次郎は馳星周『黄金旅程』を複雑な気持ちで読了。競馬小説大好きなおじさんがいったいどうしてこの小説に留保をつけたのか。54ページで確認だ!
今月は「本屋の旅人」和氣正幸が棚貸し本屋の現状と展望を提言。棚貸本屋は本屋の福音たりうるかを4ページで検証すれば、川口則弘の新連載「文芸記者列伝」がいよいよスタート。第一回を飾るのは論争と黒子の男・堀紫山。さあ、どんな文芸記者なのか、34ページを開こう! そして今月の読み物作家ガイドは寺地はるな。世の中にあふれる「こうあるべき」を問う寺地作品から、青が好きな大竹真奈美が厳選。「本当の自分のまま自由にいられるように」選んだ10作に注目だ。さらに今月は黒い昼食会が情報解禁日の順守と事前情報の必要性を訴えれば、高野秀行が新宿ゾンビホテルに軟禁!? 岡崎武志「憧れの住む東京へ」が大団円なら、青山南が2か月ぶりに復活して「朝の着替えもいやになった」! さあ、論争と黒子の男から伝説の八時半の男まで、文体もキャラクターも百花繚乱。本の雑誌3月号で春もすぐそこなのだあ!
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