

ルネサンス精神とは、変化する世界の中で不断に“自己”を演出し続ける精神である。商品と情報の爆破的増殖による最初のグローバル化時代、15‐16世紀ヨーロッパ。すべてが崩壊し多様化するこの時代に、世界の結び目として「固有の地位と固有の能力を与えられなかった」(ピコ・デラ・ミランドラ)人間が、自身の居場所をデザインするため繰り広げた知的苦闘の軌跡は、新たな崩壊と多様化を生きる私たちにどんな希望を与えてくれるのか。「近代の曙ルネサンス」というブルクハルト以来の価値づけと、ヴァザーリ以来のフィレンツェ中心主義に揺さぶりをかけ、“交換”概念を時代解明の鍵にルネサンスを一つの包括的時代として指し示す。現代イギリスを代表するルネサンス史家・ブラウンによるロングセラー。
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