

日本の移植医療は20年を迎え,末期の臓器障害の患者の治療の選択肢の一つとして,広く認識されるとともに,急速に進歩を遂げています。改正移植に関する法律が施行されて以降,移植数も着実に増加しています。ドナーの臓器の状態は,レシピエントの予後に大きく作用します。移植片が非常に不足している現状にあって,レシピエントの予後の改善は再移植を減らすことにつながり,ひいては移植の日を待ちながら亡くなっていく患者の減少につながります。またレシピエントの術後管理も,術前よりの多臓器不全の状態,移植手術による侵襲,移植特有の病態や合併症,免疫抑制剤の影響などもあり,非常に特殊であり,日進月歩の進化の途上にあります。
本特集では,ドナー管理から,レシピエント管理までの命のリレーを,最新の治療情報や移植特有のルールの解説などを交えながら概説します。
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