北海道酪農は1960年代以降、急速な規模拡大と専業化が立地移動を伴いながら大規模草地型の酪農地帯と中小規模酪農地帯に分化してきた。このような急速な酪農展開は政策誘導によるところが大きく、その誘導措置の中でも最も強力に機能したのは、酪農生産に直接関わる分野での補助事業や制度金融による助成策(ここでは、これらを包括して「公的投資」とする)であったことは多くの研究が明らかにしている。それでは、公的投資が地域の酪農構造を大きく変革し得た要因は何だったのか。昨年、食料・農業・農村基本法が成立し酪農政策も大きく転換されようとしているが、本書は、それを明らかにすることによって、今後の酪農振興の戦略としての公的投資を考える上での示唆を得ようとした。
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