社会主義崩壊以降、再考察が進む初期フランス労働組合運動にかかわって、A.クーフェは、革命主義と対峙した改良主義の指導者とされる。しかし、それは、通常理解されるものとは異なり、労働立法など国家の介入を拒否し、労働者の自主的運動による改善を目指す。30年を超えるクーフェのフランス書籍労連指導者としての出発点は、革命主義の代表であるJ.アルマーヌとの対立と協調であった。これを組合機関紙の詳細な分析を通じて考察し、両者の人物像と改良主義、革命主義を解明する。そこから、印刷業における熟練工たる植字工、徒弟、女性、外国人を含む労働者のあり方、さらに組版工-植字工の階層構造と労働組合指導の関連を浮かび上がらせる。
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