

従来、中世盛期フランスは中央集権化による王権の成長期として語られてきたが、地方では王権とは異なる様々な地域権力が活発に活動していた。本書は12‐13世紀の北フランス・ピカルディ地方に位置した一地域権力であるポンティウ伯領について、一次史料である『ポンティウ伯文書集』を用い、伯の側近構成・文書行政・財産と運営・裁判権・都市自治体との関係という5つの側面から考察する。この検討を通じて、ポンティウ伯が大領邦君主や王権のような領域的統治を志向していたことを明らかにする。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
